今年の2月、「第二次世界大戦をこっそり生き延びたアドルフ・ヒトラーと東条英機がカラテでガーナを征服する」というとんでもない設定で物議を醸した怪作B級映画『アフリカン・カンフー・ナチス』。つい一昨日Amazonプライム・ビデオで配信開始されたということで、さっそく観てきました。
感想を一言で表すと・・・普通に面白かった。
設定こそ奇想天外なものですが、「はじめは怠けていた青年が、敗北を経験して一念発起し、修行を積んでリベンジする」というカンフー映画の王道展開をしっかり踏んでいたし、なによりアクションシーンがかなりの出来でした。
キャストはヒトラー・東条以外の役はすべて現地のガーナ人が担当したそうですが、さすがはアフリカ黒人、元々の身体能力が高いので、凝った演出なしに純粋にアクションが映える。あと、みなさんいい体つきしていたので目の保養になりました。
あ、言い忘れてたんですが、この映画の主人公はヒトラーや東条ではないです。彼らはガーナを征服しに来たヴィランなので、それをやっつけるアデーという青年が主人公です。冒頭の設定で、世界征服をたくらむ悪の組織の物語的な妄想をした方、すみません違います。
あと、作中でヒトラーが何度か演説風にしゃべる場面があるのですが、これがまた似てる。これを演じたのが、同映画の監督も務める日本在住のドイツ人の方らしいのですが、やはりこういうのは本場の発音でやってくれると雰囲気があっていいですね。
ちなみに、この監督の方は、ヒトラーを小ばかにするのが好きらしく、ヒトラーの演説をDJ風にしてみた動画を投稿しているので、演説部分だけ聞きたい方は下の動画をどうぞ。かなり似せ方がうまく、映画でもこんな感じでした。
この動画をご覧になった方はわかると思うんですが、この監督、かなり頭おかしいです(褒め言葉)。水着とモザイク付けたヒトラーがDJする構図なんて、どうやったら思いつくんだ。
ほかにも、VFXがやけにリアルだったり(人の首を斬った断面とかすごかったです)、かと思えば主人公とヒトラーが銃撃戦を繰り広げたり、東条の操るカラテがジョジョの波紋法みたいだったり、この作品もB級映画の例にもれず何でもありのオンパレードですが、結果として、「良作」になっていると個人的には思います。この映画の製作費は前金で100万円ほどだったらしいのですが、そんな低予算とは思えないくらい面白かったです。
興味がわいた方は下にリンクを貼っておくのでぜひそちらからどうぞ。200円でレンタル視聴できるので、お金の心配もないです。「くだらなくも面白い映画に90分付き合える」方にはうってつけの作品です。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B08QZX5RFM/ref=atv_dp_share_cu_r